教育資金贈与税非課税措置

相続税の引き上げと教育資金贈与税非課税措置

最近の税制改正で教育資金の一括贈与に対する贈与税の非課税措置が含まれており、盛り上がりを見せています。この改正は祖父母が金融機関に自分の子供や孫の名義で口座を開設し、そこに一括して教育資金を振り込む場合には子、孫一人毎に1500万円を非課税にするというという内容のものです。もしも孫が3人いる祖父であればそれぞれの孫ごとに1500万円を非課税で贈与することができる計算になりますので、合計で4500万円が非課税で贈与できることになります。

しかしこれは一人の孫に対してであるため、両親双方の贈与の合計が1500万円を超える場合には非課税とならないので注意が必要です。注意すべき点としては教育費に限る教育資金であるという点に気をつけなければなりません。この教育費の範囲は入学金や授業料、塾や習い事などで具体的な範囲は文部科学大臣が決定するとされています。もしもそれ以外の用途で使おうとするのであれば非課税範囲は500万円となります。なおこの措置は平成27年までの限定措置として知られています。

しかしこの制度については色々な批判が存在しています。まず第一にこのような世代を超えた資産移転を奨励するような程度が固定化してしまえば相続税の意味を失ってしまうという問題です。相続税は所得の再分配を目的として行われますので富裕層を優遇する様な動きが限度を超えてしまえば格差社会を助長してしまうという問題があるのです。

海外でも何らかの方法で相続税を回避しようという動きはあり、例えばアメリカでは世代を超えた資産の移転を防止するために世代飛び越し移転税という税を課しているところもあるほどです。

このような問題は格差を固定する方向で働く可能性があるため、慎重な取り扱いが必要であると言われています。また、非課税となるかどうかの判断を金融機関に任せているという点も問題視されています。ちゃんと教育費に使われたかどうかのチェックについては面倒な作業が待っているため、どこまで適正に判断することができるか疑問が残るという人もいます。
このように多くの問題点を抱えながら時限的にでもこのような制度が認められた背景には相続税の引き上げへの布石であるという声があります。今後相続税を上げていくに伴い、課税回避の道を時限的に用意して批判を和らげようという動きであるということができます。資金の使用目的の調査は銀行に任されることになりますが、どこまでが許容されるかの線引きがあいまいで混乱の可能性があります。